被相続人が残してくれた財産も相続人の誰か1人が勝手に処分してしまうというのは、最悪の場合、相続の廃除事由になってしまうことがあります。
相続の廃除事由の一つに被相続人の財産を不当に処分してしまった場合というものがあり、このケースにあてはまってしまうと相続を受けることができなくなります。
例えば、被相続人の車も相続協議が始まる前の段階で売ってしまったような場合にはとても微妙なラインとなりますので必ず税理士や弁護士などに相談した方が良いでしょう。

前述の通り車を売ってしまった理由が不当だとされるのであれば、相続の廃除となってしまいます。
しかし、被相続人が亡くなってしまうことがあらかじめ病気などで分かっていた場合には被相続人が亡くなった後、名義を変えないままで車を売ることはできませんから、被相続人には内緒で被相続人の入院中に車を売ってしまうなどというのは少なくありません。
もちろんこの場合であっても他の相続人に医師と相談するべきですが、万が一相談せずに車を売ってしまった場合でも、売ってしまったお金を自分が使い込んでしまうのではなく最終的には相続協議の際の対象として扱うのであれば、不当な処分とは見なされず相続の廃除にならないこともあります。

トラブルを避けるため、相続人同士で相談するのが良い

上記のように相続の対象として車を売ったお金をしっかり分割協議で他の相続人と分割するのであれば不当な処分とは見なされませんが、それでもやはり他の相続人と揉めてしまうようなことも考えられます。
そのため、被相続人が所持していた車もしくは被相続人が亡くなる前に車を処分したいと考えている場合には、あらかじめ他の相続人に声をかけてどうするかを決めた方が良いと言えます。
その上でどれだけの金額で車が売れたのかということもすぐに明らかにし、被相続人が亡き後の協議に備えると良いでしょう。
誰か1人が勝手なことをしてしまうと、これが原因で相続協議が大きなトラブルに発展してしまうこともあります。

もちろんその場合であっても車がいくらで売れたのかという部分も、しっかり書類などで提示することができ、さらには売れたお金についても使ったりせず、保管してあれば相続協議の対象となるので例え弁護士などを他の相続人が立てても不当な処分とされてしまうことはないといえます。
またこのようなトラブルを徹底的に避けたいと思っているのであれば、被相続人の生前に車を売ってしまったりするのではなく、相続協議が始まってからこの車についてどうするのかを相続人同士で話し合い、誰か1人が相続してから売りに出しその上で売ったお金を他の相続人と分割するというのが1番よい方法になります。
ここでは名義変更をしなければならないので、この名義変更については、とても面倒に感じたりするのであれば、前述の通り事前に他の相続人と相談した上で車を売るようにしましょう。

ただし、どうしても被相続人となるご本人名義で車を売らなければいけないという状況でなければ、被相続人の亡き後に名義変更を行い、それから手放すといった方向で考えていくのが一番だと言えます。
また現金などとして財産が残っている中で相続税の支払いが厳しいといった場合には、この車を売り、現金に換えた上で相続税の支払いをするということもできますので、こうした部分まで念頭に置きながら被相続人となるご本人の所持している車に関してはどうするかを考えていくと良いでしょう。
その場限りで考えてしまうと実際に協議が始まってから困ることがあったり、相続税の納付の際に困ることが出てくるといったケースもあるので注意が必要です。